側弯症の手術費用とリスク』

 

側弯症(そくわんしょう)は、脊柱が左右に大きく曲がってしまう疾患です。

思春期の子どもに多い「思春期特発性側弯症」や高齢者では「変性側弯症」と呼ばれるものが代表的で、日本でも決して珍しくありません。

軽度であれば経過観察や装具治療で対応可能ですが、カーブが進行して重度になると、外科手術が必要になるケースがあります。

特にコブ角度(背骨の曲がりを示す指標)が40~50度を超える場合、放置すると呼吸器や心臓に悪影響が及ぶ可能性があり、医師から手術を勧められることもあります。

しかし「手術」と聞くと、疑問や不安を抱くかと思います。

  • どんな手術方法があるの?

 

  • 手術にはいくらかかる?

 

  • 手術のリスクはどのくらいある?

 

この記事では、側弯症手術の費用相場とリスクを術式ごとに整理し、実際の負担額や最新治療の現状まで、できるだけ詳しく解説します。

側弯症手術の代表的な術式

1. 後方固定術(脊椎後方固定術)

  • 概要:背中側から開いて、椎骨にスクリューを打ち込み、金属製のロッドで背骨を矯正・固定する。

  • 特徴:日本で最も一般的。曲がりをある程度矯正でき、再発率が低い

  • 費用:総医療費は約200~400円。

2. 前方固定術

  • 概要:胸部や腹部からアプローチし、椎間板を除去して矯正・固定する。

  • 特徴:対象は限られる。可動性が比較的残るが、日本では適応例が少ない

  • 費用:総額は後方固定術と同程度の200~400万。

 

3. 成長調整術(椎体間 tethering, VBT など)

  • 概要:成長期の子どもに行う新しい術式で、背骨にケーブル(テザー)を固定し、成長とともに徐々に矯正する。

  • 特徴:脊椎の可動性を残せる点が大きなメリット。スポーツ復帰も早いとされる。

  • 費用:日本ではまだ保険適用外のことが多く、自費で数百万円以上かかる可能性がある。米国では5万〜10万ドル(約700〜1500万円)が相場。

4. 椎体切除術(Vertebral Column Resection)

  • 概要:極めて重度の変形に対して、変形した椎体そのものを切除し、再構築する手術。

  • 特徴:矯正効果は高いがリスクも大きい。

  • 費用:総額は400〜500万円程度(保険適用あり)。

 

側弯症手術のリスクと合併症

1. 出血

  • 側弯症手術は大きな手術で、輸血が必要になるケースもあります。

  • 多くの施設で自己血輸血(術前に自分の血液を採取して保存)が行われます。

 

2. 神経障害・痛み

  • 脊髄や神経に近い手術のため、しびれ・麻痺・筋力低下などのリスクがあります。

  • 傷口の痛みや皮膚の張り感が残るリスクがあります。

 

3. 感染症

  • 傷口の感染は稀ですが、起こると再手術長期入院が必要になることもあります。

 

4. 矯正不足・再手術

  • 手術後も十分に矯正されない場合や、成長に伴い再発するケースがあります。

  • VBTなどの新しい術式では再手術率が10〜20%と報告されることもあります。

 

5. 呼吸・内臓への影響

  • 背骨の可動性が減少し、柔軟性や一部の呼吸機能が低下することがあります。

 

6.麻酔リスク

  • 側弯症手術は背骨を広範囲に固定する大手術なので、全身麻酔が必須。

 

  • 長時間手術による負担
    側弯症手術は6〜10時間に及ぶことがあり、麻酔も長時間使用されるため、心肺機能に大きな負担がかかります

 

  • 呼吸機能が低下しているケース
    側弯が進んで胸郭が変形している場合、術前から呼吸機能が低下していることがあります。その場合、人工呼吸器の離脱に時間がかかり、集中治療室(ICU)での管理が長くなることがあります。

 

入院関連費用

  • 入院期間:2〜4週間

  • 差額ベッド代:1日5,000〜20,000円 → 10〜30万円程度

  • 食事代:1日1,380円程度(1食460円×3食) → 約4〜5万円

  • 生活用品(テレビカード、衣類レンタルなど):数千円〜数万円

合計:15〜40万円程度の追加費用

 

1. 入院中リハビリ

  • 術後はリハビリ専門スタッフによる歩行訓練・体幹安定トレーニングが行われる

  • 入院費に含まれていることが多い

2. 外来リハビリ(退院後)

退院後も数か月〜1年はリハビリを継続することが望ましいとされています。

  • 通院頻度:週1〜2回(医師の指示による)

  • 1回の費用(保険3割負担時):1,000〜2,000円程度

  • 年間費用目安:5〜10万円程度

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

手術は、費用だけでなくリスクや術後の生活の変化も含めて慎重に判断すべき大きな選択です。

安易に『手術すれば全て解決する』そう思う方も少なくありません。

もちろん手術が必要なケースもありますが、放置すると生活の質や健康に大きな影響が出る可能性があるため、信頼できる専門医と十分に相談し、自分に合った治療法を選択することが大切です。

手術が必要な状態になる前に早期発見し、ケアをすることで進行を防ぐこともできます。

何もしなければ確実に悪くなる一方です。

あくまで手術は最終手段です。

痛みを我慢する日々、着たい洋服が着れない、そんな『最悪な未来』になる前にできるだけ早く身体のケア行うことをお勧めします。

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